後巷説百物語/京極夏彦

今までと趣が違って楽しめた感じ。
特定の怪の考察→怪の解→怪の実例→怪の真相
といった感じの流れは今までなかった、というかここまでテンプレート的に
まとめて著したのは今回が初めてだと思います。構成要素は今までの作風と代わらないんだけど。


ただちょっと短編集にしてもボリュームが欠けたかな、といった印象。
前作*1を読んでさえいれば話の構造自体は透けてみえてしまうので、
その分インパクトに欠け読後のカタルシスに類するものは減じてしまった気がします。
京極堂シリーズと比較するとちょっと見劣りするかも。今まで敬遠してた人には勧められるんだけどね。
一部に京極堂シリーズの「事の発端」に繋がる部分もあるんですが、ちょっと蛇足カナーみたいな。
(「匂わせる」と「明かす」のどっちつかずなスタンスでちょっとすっきりしない明かし方だった)


んでも批評はあれど楽しめたのは間違いなく。ごちそうさまでした。
しかしもーちょっとページ数減らせないか中央公論新社。裁断ちょっとおかしいし。
紙質がいいのか本は至極軽いんですが、そのせいだかなんだかで最近なんか作りが太い気がする。
高価いんだよバカ!!!

今週のジャンプ

タカヤとミスフルはどこに進もうとしているのか。特に前者。多くは語るまい。
もて王サーガの「いつ打ち切られてもいい」オーラが堪らなく好きです。あの姉弟大好き。